人事労務ニュース
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文書作成日:2017/08/22

マタハラ防止対策 企業規模が小さくなるほど取組み割合が低い結果に

 近年、企業においてハラスメント研修を実施するなど、防止に向けた取組みが以前よりも増えているように感じます。これに関連して、先日、ハラスメント防止対策の状況をまとめた平成28年度の「雇用均等基本調査」の結果が厚生労働省より発表されました。企業規模別で取組状況を確認しておきましょう。

1.ハラスメント防止対策の状況
 調査結果には、ハラスメント防止対策として、セクシュアル・ハラスメント(以下「セクハラ」という)と、一般的にはマタニティ・ハラスメント(以下「マタハラ」という)と呼ばれる妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの2種類がまとめられています。
 まず、セクハラ防止対策は全体の58.2%で取組みが行われ、これを企業規模別にみてみると、労働者数5,000人以上では100.0%、1,000〜4,999人では99.5%、300〜999人では96.7%、100〜299人では94.1%、30〜99人では72.4%、10〜29人では46.6%となっています(図1参照)。

 次に、マタハラ防止対策は全体の52.8%で取組みが行われ、これを企業規模別にみると、労働者数5,000人以上では89.8%、1,000〜4,999人では87.1%、300〜999 人では82.5%、100〜299人では74.7%、30〜99人では61.7%、10〜29人では45.3%となっています(図2参照)。

 セクハラ、マタハラともに、企業規模が大きくなるほど、防止に向けた取組みを行っている割合が高くなり、またセクハラよりもマタハラ防止対策の方が取組みが遅れていることが結果から読み取れます。これは、法律でマタハラの防止措置が企業に義務化されたのが平成29年1月1日であり、セクハラの防止措置の義務化からかなり時間が経過していたことが影響しているものと推測できます。

2.マタハラ防止対策に向けた取組
 1.の結果からも分かるように、マタハラ防止に向けた取組みが企業に求められるところですが、具体的な対策として、就業規則等にマタハラ禁止についての方針を定めたり、研修を実施したり、相談窓口を設置することが挙げられます。マタハラ等のハラスメント研修に関しては、どのような行動や発言が問題となるのか、具体例を挙げながら理解を深めるとよいでしょう。
 注目すべきは、これまでマタハラに該当するものの例示がされる中、平成29年10月施行の育児・介護休業法の改正に併せて、関連する指針も改正され、「労働者の事情やキャリアを考慮して、早期の職場復帰を促すことは制度等の利用が阻害されるものに該当しないこと」と明確化されたことがあります。当然ながら、このような場合でも職場復帰の時期は従業員の選択に委ねられるものに変わりませんが、従業員のキャリアを考え、早く職場復帰してはどうかと声をかけることはマタハラには該当しないとされています。今後、研修を行う際にはこの内容にも注目し、マタハラに該当するもの、しないものを整理することが求められます。

 ハラスメント防止策に企業内で取組むことは、ハラスメントの発生を防止することは当然のことですが、従業員に対し、ハラスメントを受けた場合であっても会社は相談に応じることを示し、働く上での安心感を与えることが重要です。単に法律で義務化されているからという考え方ではなく、積極的に取り組みたいものです。

■参考リンク
厚生労働省「平成28年度雇用均等基本調査(確報)」


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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